「不動産の査定額をアップしたい」とお悩みですか? 実は、不動産査定でチェックされるポイントは、物件の種類ごとにある程度決まっているのです。
査定ポイントを知るということは、いわばテストの出題範囲をおさえるようなもの! 不動産会社が重視するポイントをおさえて、高額査定を目指しましょう。
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「不動産査定」とは
不動産査定とは、「あなたの不動産がいくらくらいで売れるか」を不動産会社に予想してもらうことです。
この不動産査定には、「簡易査定」と「訪問査定」の2種類があります。簡易査定は売主が提出した情報からおおよその査定額を算出すること。査定額がすぐにわかるので、売却を検討段階の方にもおすすめです。一方、訪問査定では不動産会社のスタッフが不動産の状態を直接確認するため、より正確な査定額がわかります。
不動産の査定方法についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのページもご覧ください!
「簡易査定」「訪問査定」それぞれの特徴をわかりやすく解説しています。
マンション査定のポイント
築年数・構造
一般的に、不動産は築年数が新しいほど売れやすく、古いほど売れにくくなります。しかし、マンションは木造よりも鉄筋コンクリート造が多いため、一戸建てと比べると資産価値の下落はゆるやかです。築5年以内であれば、新築とほとんど同じ価格で売却できることもあります。住み替えや売却の意思が固まっている方は、なるべく早めに動き出すようにしましょう。
立地・方角・階数
立地条件はもっとも重視されやすく、周辺環境やスーパー、学校、病院へのアクセスなどさまざまなポイントをチェックされます。とくに重要なポイントが、「最寄り駅からの距離」です。とくに都心部は通勤・通学に電車を使っている人が多いため、駅から近い立地ほど査定額が高くなります。
また、部屋の階数や、バルコニーが面している向き、眺望なども大切。たとえば日当たりの良い南向きの部屋、防犯面で安心な2階以上の部屋などは、プラスの評価になります。
内装
室内の広さや間取り、内装といった室内状況も査定ポイントです。たとえば「フローリングが剥がれている」「ひとつひとつの部屋が小さい」などはマイナス評価になってしまいます。とはいえ部屋は広ければ良いというわけでもなく、よりニーズが高く、使いやすい間取りが好まれます。壁や床、天井などの劣化に関しては、必要に応じて修繕・リフォームなどを施すのもアリです。
外装
不動産売却では見た目の印象がとても大切なので、外壁の塗装や剥がれといった外装部分も確認されます。住民が勝手に補修することはできませんが、あまりに劣化がひどい場合は管理会社へ問い合わせるのもひとつの手です。修繕積立費などがある場合は、必ず申告しましょう。
共用部分
マンション査定ではエントランス、階段、廊下などの共用部分もチェックされます。ホコリや落ち葉などが溜まっている場合は、できる範囲で掃除しておきましょう。また、共用部分に関しては管理費・修繕積立費の金額や、管理人の有無、設備状況なども見られます。設備状況についてはオートロックや監視カメラなどのセキュリティ設備も加点ポイントなので、特筆すべき点がある場合はアピールしましょう。
管理状態
マンションの管理体制や、管理人の勤務形態などは住民の安心へつながります。基本的に巡回員や管理人のいない状態はマイナス、交代制の24時間管理などはプラスの評価です。勤務形態だけでなく、実際に管理が行き届いているかどうかも大切。共用部分の保守・清掃はもちろん、図面などの重要書類をきっちり管理しているかどうかチェックされます。
施工会社・マンションブランド
マンションの施工会社が大手ゼネコンの場合は、査定評価にプラスに働く可能性もあります。また、マンションブランドも同様です。実際に、名のしれたブランド名のマンションは、購入希望者がスムーズに見つかる傾向があります。とくに人気のブランドは固定客がいる場合もあり、高額査定も期待できるでしょう。
戸建て査定のポイント
築年数・構造
木造住宅の多い戸建ては、築年数の経過によって資産価値が下がりやすいと言われています。築10年では新築時の半分ほど、築20年では査定額がほとんどゼロになることも少なくありません。また、築30年を超えた場合は、解体して更地にしたほうが買い手がつきやすい傾向があります。内装・外装に目立った劣化がなくても、築年数によって資産価値が下がってしまうことを覚えておきましょう。
立地・方角
建物の立地や方角も重要なポイントです。同じような外装・内装の家でも、ブランドの力のある土地とそうでない土地とでは売却価格が変わってきます。「高台にあり、眺望が良い」「駅から近く、アクセス良好」といった点もプラス評価です。また、一般的にベランダが南向きの家は評価につながりやすく、逆に日当たりの悪い北向きの家や、夕日がまぶしい西向きの家はマイナスポイントになります。
内装
壁紙や天井、フローリングの劣化具合や、間取りなどもチェックされます。しっかりと清掃が行き届いた家や、おしゃれなインテリアで彩られた部屋は「素敵な生活」をイメージしやすく、査定評価にプラスに働くでしょう。雨漏りやシロアリ被害の有無や、水回りの設備なども大切です。明らかな劣化や被害がある場合は、修繕を勧められることもあります。
外装
屋根や外壁の劣化具合や、破損の有無、木部が腐食などを確認されます。明らかな劣化や破損がある場合は、売却前に補修工事を検討しても良いでしょう。また、建物が傾いていないかどうか、水平器などを用いたチェックを行います。家の傾きはドアや窓の開閉に影響するため、傾きがひどい場合は売却依頼を断られてしまうこともあります。
周辺環境・トラブル
スーパー、学校、病院、郵便局など、生活に便利な施設が近くにあることはプラスポイントとなります。具体的にはこれらの施設が徒歩10分以内の場所にあれば、査定アップが期待できるでしょう。また、通勤・通学の利便性も重要で、駅やバス停への距離なども確認されます。周辺地域の治安や、騒音・異臭・振動といったトラブルの有無もチェックポイントです。
土地の価値
通常、戸建てを売る場合は、建物と土地を別々に査定されます。土地査定のチェックポイントについては以下で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
土地査定のポイント
立地・方角
マンションや戸建てと同様、土地も立地条件を詳しくチェックされます。駅やバス停からアクセスが良い土地は査定額が上がりやすく、眺望や景観の良い土地も高評価です。日照条件も重要で、南向きに大きな建物がない場合はプラスの評価となります。今はなにもなくても、将来的に大きな建物が建設される場合はこれも考慮に入れられます。
周辺環境
スーパー、コンビニ、学校、病院などが徒歩圏内にある土地は高く評価されます。反対に、周辺に便利な施設がなにもない、近くに墓地があるといった場合はマイナスポイントです。ただし、便利な立地であっても、騒音・異臭・振動などのトラブルがある場合には評価が下がってしまいます。とくに幹線道路や線路が近くにある場合は、実際に車や電車が通過するときの様子を詳しく確認されます。
形状
購入された土地には家や建物を建てる場合が大半なので、使い勝手の良い長方形の土地はプラス評価となります。反対に、使い道の難しい土地はなかなか買い手がつかないため、評価額は下がってしまうでしょう。とはいえ完璧に整った土地である必要はなく、極端に不整形な土地でなければ減点されない可能性も十分あります。
境界・越境
土地を売るためには、まずその土地の境界線をはっきりさせる必要があります。隣接地とのトラブルを避けるためにも、土地の境界が定まってない場合は測量を行いましょう。また、庭の木の枝などが境界を越境している場合、隣家の住民と「越境の覚書」を作成します。こちらも後々のトラブルを避けるためで、査定評価にも反映されます。
接面道路
土地に建物を建てる場合、幅4メートル以上の公道に2メートル以上接していなければなりません。もちろん家を建てる場合も同様なので、この基準に当てはまらない土地は「使い勝手が悪い」と判断されてしまうリスクがあります。また、接面道路を車や自転車、徒歩での出入り口にできるかどうかも重要なポイントです。道路と土地に高低差がある場合は、マイナスポイントになる場合もあります。
まとめ
不動産査定には「簡易査定」と「訪問査定」の2種類があります。よりスピーディに査定額が知りたい方には簡易査定、より正確な査定額が知りたい方には訪問査定がおすすめです。
不動産査定のチェックポイントは数多くありますが、戸建てやマンションに共通して重要なのは「築年数」「内装、外装の劣化」「立地・方角」の3点です。また、土地の売却では「土地の形状」や「接面道路」などが重視されます。
ほかにもマンションなら共用部分、戸建てならシロアリ被害の有無といったようにさまざまなチェック項目があるので、必要に応じて修繕やリフォームを行うことも大切です。それぞれのポイントをしっかりおさえて、査定額アップを目指しましょう。