不動産売買では値下げ交渉をされることが珍しくありません。とはいえ、売る側からすれば「早く売りたいけれど、できるだけ値下げはしたくない」と思うはず。では、もし値下げ交渉を受けたらどうしたら良いのでしょうか。今回は、不動産売却の値下げ交渉について、対策や予防法、注意点などを紹介します。
値下げ交渉を受けたときはどうする?
不動産売買で値下げ交渉を受けた際にはどのような対応をするべきなのか確認してみましょう。
・値下げ交渉は不動産会社を間に入れる
値下げ交渉を直接持ち掛けられることもあるかと思いますが、その場で曖昧な返答をしてしまうと「言った・言わない」など後にトラブルに発展することがあります。そのため、直接値下げ交渉を持ち掛けられた際は、不動産会社に相談して対応してもらうようにしておくと安心です。
・大幅な値下げ交渉には応じる必要はない
値下げ交渉の相場は50~100万円程度といわれています。そのため「3,000万円から2,000万円にしてほしい」などの大幅な値下げ交渉には無理に応じる必要はありません。しかし、売却開始から少し時間がたつと「早く売りたい」という思いから応じてしまうケースも。売り急いで損をしてしまわないように、あらかじめ値下げの許容額などをはっきりと決めておきましょう。
・売主から条件を出すことも考える
ある程度納得のできる値引き額で合意ができた場合でも、そのまま売買契約をせずに値引きの見返りとして条件交渉を持ち掛けてみましょう。「住み替えのための引き渡し猶予の設定」「瑕疵担保責任の免責や期間の短縮」「残置物の処理」など、自身にとって有益な条件を考えておくと良いかもしれません。
値下げ交渉の対策とは?
値下げ交渉は珍しくないものの、できる限り避けたいもの。では値下げ交渉を避けるためにはどのような対策があるのでしょうか。
・繁忙期の売却
引っ越しシーズンなど不動産売却の繁忙期では需要も多いため、値下げ交渉が行われずに売却できる可能性が高まります。また、値下げ交渉が行われても少額だったり、断った場合も他の購入希望者が見つかりやすかったりすることもメリットといえるでしょう。
・不動産の印象アップを図る
当たり前ですが、購入希望者が不動産を気に入ってくれればスムーズな売却が可能です。場合によっては、値下げ交渉をされることなく売却ができることもあるでしょう。そのため、部屋の掃除や家具の整理、ニオイ対策などをしっかりと行って住宅の印象アップを図りましょう。必要に応じて、清掃業者や物件の内装をモデルルームのように演出する「ホームステージング」などを利用するのもオススメです。
・値下げ交渉を見越して少し高めに値段を設定する
不動産売却において、値下げ交渉は必ずあるといっても過言ではありません。そのため、価格設定の段階で、値下げ交渉を予測して少し高めに値段設定しておくのも一つの手です。希望売却価格3,000万円であれば3,280万円にするなど、相場から大きくかけ離れない程度の価格設定を検討しましょう。
値下げを検討するタイミングについて
値下げすることなく売却ができれば喜ばしいことですが、値下げをしないばかりに売れ残ってしまう恐れもあります。売れ残っている物件は「売れ残るだけの理由があるのでは……?」と思われることもあり、より買い手がつきにくくなることも。そのため、なかなか売れない場合は値下げを検討することが大切です。
不動産売却には3~6カ月ほどかかるのが一般的なので、売却開始から2~3カ月ほど、遅くとも6カ月以内には値下げするかどうかを考えましょう。問い合わせ状況や販売活動内容などを振り返りながら、不動産会社の変更なども含めて値下げするかどうかを検討することが大切です。
問い合わせはあるけれど売却まで至らないという場合は、購入希望者の値下げ交渉に対応するなど柔軟な判断が求められます。
「値下げ交渉は必ずある」と思って対応を
売主が「少しでも高く売りたい」と思っているのと同様に、購入希望者も「少しでも安く買いたい」と思っています。そのため、値下げ交渉は「ほぼ必ずある」と考えたうえで、適切な対策や対応を行うことが重要です。