「鹿児島市でできるだけ良いタイミングで不動産を売却」したいとお考えですか? ベストな売却タイミングは不動産によっても異なりますが、地域の不動産市場動向を考慮に入れることも大切です。
こちらでは、鹿児島市の人口動向や地価公示価格の推移を紹介しつつ、今後の動向を考察してみましょう。
人口動向
鹿児島市の人口は、2021年3月1日時点で593,754人。世帯数は278,329世帯です。市街地の人口密度は他の自治体と比較して高いものの、全体としては県内でも顕著な人口減少が見られます。
この人口減少の理由として住民の高齢化が挙げられますが、姶良市がベッドタウンとしての人気を獲得したことも原因のひとつ。鹿児島県の43市町村のうち人口増は姶良市と龍郷町のみで、鹿児島市へ通勤・通学している世帯が姶良市に流れているものと推測されています。
地価公示価格推移
鹿児島市の土地価格はこの20年ほど大きな変化がなく、ほぼ横ばいの状況です。しかし、それぞれの地域をピンポイントに見てみると、市の中心部では土地価格が上昇し、郊外へ行くほど下落していることがわかります。
この理由として、「市の中心部の再開発が進んでいること」「住宅ローン金利が下がっていること」が挙げられます。金利が下がると、月々の返済額が同じでもより高い不動産を購入できるため、「高くても買う」人が増えたのです。
また、中心部への人口集中が進み、郊外の不動産が売れにくくなっているという現状も関係しているでしょう。
鹿児島市の地価推移
※表は左右にスクロールして確認することができます。
地価公示 | 取引価格 | |
---|---|---|
2021年 | 50.12 | 25.56 |
2020年 | 45.91 | 26.04 |
2019年 | 45.56 | 29.95 |
2018年 | 44.92 | 26.54 |
2017年 | 43.99 | 27.28 |
エリア別の地価ランキング
※表は左右にスクロールして確認することができます。
順位 | エリア | 地価平均 | 坪単価平均 | 変動率 |
---|---|---|---|---|
1位 | 天文館 | 55万9,800円/㎡ | 185万578円/坪 | -1.13% |
2位 | 鹿児島中央 | 38万7,700円/㎡ | 128万1,652円/坪 | -0.08% |
3位 | 南鹿児島 | 15万5,800円/㎡ | 51万5.041円/坪 | -0.01% |
4位 | 郡元 | 14万700円/㎡ | 46万5,123円/坪 | -0.07% |
5位 | 鹿児島駅 | 11万8,150円/㎡ | 39万578円/坪 | +0.15% |
6位 | 宇宿 | 10万5,140円/㎡ | 34万7,570円/坪 | +0.27% |
7位 | 谷山 | 9万3,990円/㎡ | 31万710円/坪 | +0.12% |
8位 | 慈眼寺 | 9万3,666円/㎡ | 30万9,641円/坪 | +0.33% |
9位 | 星ヶ峯 | 6万9,000円/㎡ | 22万8,099円/坪 | +0.00% |
10位 | 坂之上 | 5万8,566円/㎡ | 19万3,608円/坪 | +0.28% |
鹿児島市でもっとも地価が高いエリアは、天文館です。前年から1.13%減少しているものの、2位の鹿児島中央と比べて約17万円高い結果となっています。
3位以降は南鹿児島、郡元、鹿児島駅エリアと続きます。天文館と鹿児島中央が飛び抜けて高額なように感じますが、その他の地域も県内の他の市町村と比べると軒並み高く設定されています。実際に、鹿児島市の土地価格は全国の地方都市のなかでも高く、地価ランキングは全国109位です。
鹿児島市の地価は今後も上昇傾向が見込まれ、下がる気配は薄いようです。
今後の鹿児島市の地価傾向
鹿児島県全体で見ると、県内は農地の宅地化が進み、土地価格は下落すると見込まれています。しかし鹿児島市は再開発の影響で人口が増え、地価も上昇傾向です。ただし、人口が増えているのは市の中心部のみで、郊外へいくほど人口は減り、地価も減少傾向にあります。
今後の動向をまとめると、以下の通りです。
地価の上昇が予想されるのは鹿児島市のなかでも中心部のみ。それ以外の地域は、地価が減少していく傾向にある。
一方で、県全体としての人口は減少傾向にあるため、これまで通りの上昇は期待できないとの見方もあります。新型コロナウイルスの影響も考慮しつつ、今後の社会情勢を含めてしっかりチェックしたいところです。
まとめ
鹿児島市は県内でも有数の土地であり、全国の地方都市のなかでも高い評価を得ています。とくに中心部は再開発の影響で人口増加、土地価格も上昇傾向にあり、不動産の資産価値にもプラスに反映されるでしょう。
一方で、中心部以外の地域は人口減少、土地価格も減少傾向にあります。それでも鹿児島県全体で考えると軒並み高額ではありますが、中心部のような上昇傾向は現状期待できなさそうです。
また、県全体としての人口は減少傾向にあり、中心部であってもこれまで通りの上昇は期待できない可能性もあります。社会情勢や市場動向には逐一目を光らせ、お手持ちの不動産をベストなタイミングで売却しましょう。