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買取と仲介の比較
※表は左右にスクロールして確認することができます。
不動産買取 | 仲介売却 | |
---|---|---|
買主 | 不動産会社 | 個人の購入希望者 |
売却価格 | 市場相場の6~7割 | 相場に合った適正額。市場相場以上で売れることも。 |
仲介手数料 | 不要 | 必要 |
売却手続き期間 | 1~2ヵ月 | 3~4ヵ月 |
手間 | 少ない | 内覧対応などが必要 |
契約不適合責任 | なし | あり |
買主
不動産買取と仲介売却のもっとも大きな違いは、物件を買う人、つまり「買主が誰か」という点です。仲介売却では主に個人の購入希望者が買い手となるのに対して、不動産買取では不動産会社が物件を直接買い取ります。
売却価格
不動産買取の売却価格は、相場の6~7割程度となる場合が多いようです。これは、不動産会社が買い取った物件を売る際に、リフォーム・リノベーションなどのコストをかける必要があるため。一方、仲介売却は市場相場に即した価格での売却となり、場合によっては相場以上で売れる可能性もあります!
仲介手数料
仲介売却では売却が成立した際、成果報酬として仲介手数料を支払う必要があります。仲介手数料は法律で上限額が定められており、以下のように計算できます。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
売買代金 | 仲介手数料 |
---|---|
200万円未満の部分 | 取引価格×5%+消費税 |
200万円以上400万円未満の部分 | 取引価格×4%+消費税 |
400万円以上の部分 | 取引価格×3%+消費税 |
たとえば不動産を2,000万円で売却できた場合、
- 200万円分を5%+消費税
- 200万円~400万円の200万円部分を4%+消費税
- 残りの1600万円部分を3%+消費税
で計算します。
不動産買取にはこのような仲介手数料は必要なく、持ち出し金額を抑えることができます。
売却手続き期間
仲介売却では、まずネット広告や折込チラシなどを通して購入希望者を募るところからはじまります。購入希望者が現れるまでの期間は平均3~4ヵ月程度とされていますが、物件の状態や立地によっては長期戦(1年以上など)になることも。一方、不動産買取は不動産会社が買い手となるので、最短では72時間などスピーディな売却が可能です。
手間
まだ居住中の物件を売却する場合の仲介売却では、購入希望者が物件を見学する際、売主が室内の案内などを行う場合があります。不動産会社が行う場合も多いですが、物件をキレイに掃除したり、個人情報の取り扱いに気を配ったり……と、なにかと手間がかかることも多いでしょう。一方、不動産買取はこうした内覧対応が必要ありません。
契約不適合適任
「契約不適合責任」とは、不動産を売却した後に破損や故障が見つかった場合、売主が補修費用などを負担する責任のこと。わざと放置したわけではない場合も請求されてしまうので、売却前に入念なチェックが必要です。不動産買取では、この「契約不適合責任」が免除されます。
買取と仲介のメリット・デメリット
買取とは
買取(不動産買取)では、不動産会社が直接買い手となって物件を買い取ります。購入希望者を募ることはせず、売主と不動産会社との間で取引が成立するのです。広告・宣伝活動が不要となるため、査定価格に納得すればすぐにでも売却できます。
最初は仲介売却に挑戦し、希望の期間内に売れなかった場合は不動産買取に切り替えるという手もあります。これを「買取保証」といい、不動産会社によっては対応していない場合もあるため事前に問い合わせてみましょう。
メリット
買取の最大のメリットは、スピーディな売却が実現しやすいという点です。不動産会社によっては最短3日で売却できる場合もあるので、「不動産をすぐにでも現金化したい」という方におすすめ! また、仲介売却と比べて確実性が高いので、転勤・住み替えなど、引っ越し期日があらかじめ決まっている場合にもぴったりです。
デメリット
買取は売却価格が低くなりやすく、一般的には市場相場の6~7割程度となる場合が多いようです。とくに、売却代金を住み替えや返済などに使いたい方は、「あてが外れた」という事態にならないよう注意が必要です。仲介売却から不動産買取に切り替えるという方法もあるので、使い道や期限も考慮に上でさまざまな選択肢を検討しましょう。
仲介とは
仲介売却では、不動産会社が購入希望者を募り、売主と買主との間で売買契約をとりまとめます。一般的に「不動産売却」というと、この仲介売却を指す場合が大半です。住宅情報サイトや折込チラシなどで広く宣伝活動が行われ、価格の交渉なども不動産会社が代行してくれます。宣伝活動のやり方についてはある程度融通がきくので、「ご近所にチラシを配ってほしくない」という場合は気軽に相談してみましょう。
メリット
仲介売却では、売主が売出し価格を自由に設定できます。もちろん相場を前提とする必要はありますが、高額売却が実現しやすいのは大きなメリットです。また、人気のある不動産であれば、ある程度こちらが“売る相手”を選ぶことも可能。「時間をかけてより良い条件の購入希望者を探す」という戦法もとれるので、期日の縛りがない方にはとくにおすすめです。
デメリット
仲介売却では、所定の仲介手数料が発生します。たとえば不動産を3,000万円で売却できた場合は約100万円の仲介手数料がかかるので、「売却代金がすべて手元に残るわけではない」という点に注意しましょう。また、現在の住まいを売る場合は、居住中に内覧対応を行う必要があります。プラベートな空間を案内することを嫌がる方も少なくないようです。
売却方法の次は「不動産査定」
自分にぴったり合う売却方法が見つかったら、次は「不動産査定」を依頼しましょう。不動産査定ではお手持ちの不動産を業者がチェックし、「この不動産を売る場合、これぐらいが適正」という金額を提示してくれます。査定は無料で行われている場合が多く、査定のみの依頼もOKです。
あくまで参考価格ですが、実際のところどれくらいで売れるのかがわかるため、売却を検討中の方も気軽に依頼してみましょう。
不動産の査定方法には「簡易査定」と「訪問査定」の2種類があります。ここからは、それぞれの査定方法のメリット・デメリットを解説します。
簡易査定と訪問査定の比較
※表は左右にスクロールして確認することができます。
簡易査定 | 訪問査定 | |
---|---|---|
査定方法 | 提出された書類から、立地や土地などの不動産情報を見て判断する | 提出された書類と、現地の状態を見て判断する |
所要時間 | 当日~1日 | 1週間程度 |
精度 | やや低い | やや低い |
メリット | 短期間でだいたいの査定額がわかる | より正確な査定額がわかる |
デメリット | 査定額の精度がやや低く、実際の売出し価格と大きく異る場合がある | 査定完了まで時間がかかる、不動産会社のスタッフを招く必要がある |
簡易査定
簡易査定とは、依頼主から提出された「築年数・立地・土地の大きさ・方角・部屋数」といった情報から査定を行う方法です。書類上の情報のみで査定するため、「机上査定」と呼ばれることもあります。不動産会社によっては最短当日~1日程度で査定額を提示してくれるため、「なるべく早く査定額が知りたい」という方におすすめです。
また、不動産会社のスタッフを招く必要がないので、気軽に申し込めるのもメリット。不動産売却を検討している段階の方は、ひとまず簡易査定を利用する場合も多いようです。
ただし、簡易査定は精度がやや低く、実際の売出し価格とは大きく異なるケースもあります。簡易査定の結果は、あくまで参考程度にするのが良いでしょう。
訪問査定
訪問査定とは、不動産会社のスタッフが現地まで直接足を運び、物件の状態を詳しくチェックしてから査定を行う方法です。もちろん書類上の情報も加味するので、簡易査定+αの調査を行うというイメージです。
物件の劣化度合いや周辺地域の雰囲気、駅からのアクセスなども細かく確認するため、より精度の高い査定額を知ることができます。ただし、査定結果が出るまでに時間がかかるので、お急ぎの方は無理のないスケジュールを組みましょう。
「最初は気軽な簡易査定から」というのもありですが、実際に不動産を売却するとなったら、絶対に訪問査定が必要となります。売却の意思が固まっている方は、はじめから訪問査定を依頼するのもおすすめですよ。
「査定額をアップしたい!」という方は、こちらのページもチェックしてみてください。
マンション・戸建て・土地それぞれに、査定評価のポイントをまとめています。
まとめ
不動産買取と仲介売却の違いは、主に「買主」「売却価格」「仲介手数料」「期間」「手間」「契約不適合責任の有無」の6つです。
不動産買取はスピーディな売却が実現しやすいため、「安くなっても良いから、なるべく早く現金化したい」という方に向いています。一方、仲介売却は高額売却を実現しやすいため、「時間がかかっても良いから、なるべく高く売りたい」という方におすすめです。
査定方法には簡易査定・訪問査定の2種類があります。とりえあず査定額だけ知りたい方は簡易査定、ある程度売却の意思が固まっている方は訪問査定を選びましょう。
売却も査定も、自分の状況や希望に合う方法を選ぶのが一番大切。今回紹介した内容を参考に、ぜひ後悔のない不動産売却を!