お役立ちコラム

不動産売却をしたら固定資産税の支払いはどうなる?

通常、不動産の固定資産税は、その年の1月1日時点での持ち主に対して課されます。しかし、不動産を売却した場合、固定資産税の支払いは売主と買主、どちらになるのでしょうか。そこで今回は、不動産売却をした際の固定資産税の支払いについて解説します。不動産の売却予定がある方は、ぜひ参考にしてください。

固定資産税の納税義務者は?

不動産を年度途中で売却するときに、問題になりがちな固定資産税の支払い。まずは固定資産税がどのような税金か、誰に対して課されるのかについてチェックしておきましょう。

固定資産税とは?

固定資産税とは、所有している土地や住宅、償却資産(土地や家屋以外の事業用の資産)などに対してかけられる税金です。固定資産の価値に応じた額を、固定資産のある市町村に対して市町村税として納めなければいけません。東京都23区内の場合は、都税として東京都に納税します。なお、固定資産税の課税対象となるのは4月1日から翌年の3月31日までです。

納税義務があるのは1月1日時点での所有者

基本的に、固定資産税の納税義務者は1月1日時点で登記簿や土地補充課税台帳、家屋補充課税台帳に所有者として登録されている人となります。

つまり、1月1日までに不動産売却が完了していなければ売主が納税義務者、1月1日までに所有者が買主になっていれば買主が納税義務者となります。たとえば1月2日に不動産を引き渡したとしても、その年度分の固定資産税の納付書は売主宛に送られてきます。

売却した年の固定資産税は誰が払う?

固定資産税の納税義務は1月1日時点の所有者に発生するため、年度途中で不動産を売却しても変わりません。そのため、売却したにもかかわらず、不動産の固定資産税を1年分支払うのは「割に合わない……」と思う方も多いでしょう。しかし、売主と買主の間で固定資産税を分担することも可能です。

固定資産税は日割りで分担する

1月1日以降に不動産を売却した場合、売主のもとにその年度分の固定資産税の納付書が送られてきます。売却した不動産の税金をまるまる1年分払わなければならないため、売主が損をすることになります。

そこで、売主だけが損をしないよう、引き渡し日を基準として固定資産税の額を日割りで計算し、売主と買主の双方で分担することが可能です。

ただし、固定資産税の日割り分担は法律で決められた手続きではありません。そのため、単純に不動産の売買契約を交わし、売主か買主のどちらか一方が固定資産税を負担することも十分にあります。

起算日に注意!

固定資産税の日割り計算をする場合、起算日をいつにするかによって負担額に差が出ます。起算日は1月1日か4月1日のどちらかになりますが、関東では1月1日、関西では4月1日となるのが一般的です。ただし、利用する不動産会社によって異なる場合もあるため、必ず確認しましょう。

1月1日を起算日とした場合、1月1日~引き渡し日までの固定資産税を売主が、引き渡し日~12月31日までの固定資産税を買主が負担することとなります。

固定資産税の清算をする場合は、必ず不動産の売買契約書に起算日が明記されているかを買主・売主双方で確認しましょう。起算日の認識の違いにより、思わぬトラブルが発生してしまうおそれがあります。

固定資産税の清算で利益が出た場合は注意が必要

固定資産税の清算は法律での取り決めではないため、買主負担分は不動産の売却価格に上乗せされる形になり、その分も譲渡所得に含まれます。

不動産売却に固定資産税の清算分を加えて利益が出た場合は、売却の翌年に確定申告をしなければなりません。申告漏れに対しては無申告加算税、期限後申告に対する延滞税などが課される恐れがあります。さらに悪質と判断された場合は、重加算税という35~50%の税率を課される重たいペナルティも。

固定資産税の清算については、不動産取引の中では税の清算として考えますが、税制上は所得となるということを必ず覚えておきましょう。

売却活動と同時に税金のことも要チェック!

年度内に不動産を売却する際、問題になりがちな固定資産税の清算。売主と買主、双方の合意のもと、売主が損しないよう日割り計算するのが一般的です。固定資産税の清算によって利益が出た場合は、確定申告で所得税を納めなければならないことに注意しましょう!

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