不動産売却では、不動産購入時に渡された書類から、新たに発行手続きが必要なものまで、さまざまな書類を用意します。とはいえ、面倒な手続きはそれほど多くないので、ひとつひとつ順番に用意していけば大丈夫!
こちらでは、「査定依頼時」「不動産会社との契約時」「不動産の引き渡し時」それぞれに必要な書類をまとめています。
査定の必要書類チェックリスト
◯:必要
△:任意または該当する場合にのみ必要(任意ではあるものの、準備できればなお良いとされる書類も含む)
×:不要
※表は左右にスクロールして確認することができます。
項目 | 内容 | 一戸建て | マンション | 土地 |
---|---|---|---|---|
身分証明書 | 本人確認のため | ◯ | ◯ | ◯ |
実印 | 売却する本人の実印を用意する。所有者が複数いる場合は、全員分の実印が必要 | ◯ | ◯ | ◯ |
印鑑証明書 | 3ヵ月以内のもの。所有者が複数いる場合は、全員分の印鑑証明書が必要 | ◯ | ◯ | ◯ |
住民票 | 3ヵ月以内のもの。登記上の住所と売主の現住所が異なる場合に必要 | △ | △ | △ |
登録済権利書または登記識別情報 | 売却する不動産の内容確認や、登記の際に必要 | ◯ | ◯ | ◯ |
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書 | 固定資産税や都市計画税など、税額を確認するため | ◯ | ◯ | ◯ |
ローン残高証明書またはローン返済予定表 | ローンを返済中の場合に必要。残債と返済額が記載されているものを用意 | △ | △ | △ |
銀行口座書類 | 売買代金から必要経費を差し引いた残金を振り込むため | △ | △ | △ |
土地測量図・境界確認書 | 一戸建てや土地を売買する場合に必要。売却範囲の確認のため | △ | × | △ |
建築確認済証および検査済証 | 不動産が建築基準法に適合しているかを確認するため | △ | × | △ |
建築設計図書・工事記録書など | 不動産がどのように設計・工事されたかを確認するため | △ | × | △ |
マンションの管理規約、または使用細則など | マンションの管理内容や使用ルールを知るため | × | ◯ | × |
マンションの維持費(管理費、修繕積立費、管理組合費、町内会費など)の書類 | 入居後、買主が負担する費用の確認のため | × | ◯ | × |
耐震診断報告書・アスペスト使用調査報告書など | 耐震診断やアスベスト使用調査などを受けている場合は、必要書類を提示する | △ | △ | △ |
その他(地盤調査報告書・住宅性能評価書・既存住宅性能評価書など) | その他、保有している証明書があれば提示する | △ | △ | △ |
購入時の契約書・重要事項説明書など | 所有していれば提示する | △ | △ | △ |
パンフレットや広告資料 | 所有していれば提示する | △ | △ | △ |
不動産会社と契約するときに必要な書類
不動産会社へ売却を依頼する際には、必要な書類がいくつかあります。まずは、以下の書類を揃えておきましょう。
登記簿謄本または登記事項証明書
登記簿謄本とは、不動産の所有者などが記載された「登記簿」をコピーしたものです。登記事項証明書も基本的には同じですが、こちらは登記情報をコンピューターで管理している場合に、登記情報を用紙へ印刷したものを指します。どちらを提出してもかまいません。
売買契約書
売買契約書とは、不動産を購入した際に交わした契約書のことです。契約日や売買代金、手付金の額や、引渡し日などが細かく記載されています。
購入時の重要事項説明書
不動産を購入した際に、その物件に関わる重要事項を説明したものです。主に不動産の内容や取引条件、告示事項などが記載されています。
登記済権利書または登記識別情報
登記されている名義人が、不動産を所有していることを証明するものです。2005年の不動産登記法改正以前は「登記済権利書」という書類が発行されていましたが、現在は登記識別情報が、書面またはオンライン申請で通知される仕組みになっています。
土地測量図・境界確認書
不動産の土地面積や、隣接する物件との境界線などが記載されているものです。境界線が曖昧な場合は、隣接地とのトラブルを避けるためにも測量図を作成しましょう。測量図の作成には、隣接地の所有者の了承が必要です。
固定資産税納税通知書、固定資産税評価証明書
不動産の固定資産税を確認するために必要な書類です。また、移転登記の際、登録免除税の算出にも用いられます。固定資産税は通常1月1日時点で課税されますが、不動産売買が行われた場合は、その時期によって調整されます。
物件の図面、設備の仕様書
不動産の間取りや、各種設備を確認するための書類です。
建築確認済証、検査済証
一戸建てを売却する場合は、その不動産が建築基準法を満たしていることを証明する「建築確認済証」および「検査済証」が必要になります。
建築設計図書、工事記録書
不動産がどのように設計され、どんな工事が行われたのかを記録した書類です。設計や工事に関する情報が事細かに記載されているため、修繕・リフォームにも役立ちます。
マンションの管理規約、使用細則、維持費関連書類
マンションを売却する場合は、そのマンションの管理規約や使用細則、維持費関連書類が必要です。ペットの飼育の可否や、管理費、修繕積立費の額などが記載されています。
耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書
「新耐震基準」が導入された1981年以前に建てられた不動産を売却する際、耐震診断を受けている場合はその報告書を用意します。また、アスベストの使用調査を受けている場合も、同様の報告書を用意しましょう。
不動産の引き渡し時に必要な書類
無事に購入希望者が見つかったら、今度は不動産の引き渡し時に必要な書類を用意します。直前で慌てないよう、事前にしっかり準備しましょう。
本人確認書類
運転免許証など、所有者本人であることを証明できる書類を用意します。不動産の所有者が複数いる場合は、全員分の本人確認書類を用意しましょう。所有者が遠方に住んでいる場合も同様です。
実印・印鑑証明書
印鑑証明書は、3ヵ月以内に発行されたものを用意します。こちらも不動産の所有者全員分が必要です。
住民票
登録上の住所と、現住所が異なる場合に用意します。こちらも3ヵ月以内に発行されたものが有効です。
銀行口座の通帳
売買代金の振込先情報として使用します。不動産売買の支払いは銀行振込になる場合が大半なので、事前に口座情報を用意しておきましょう。
ローン残高証明書またはローン返済予定日
住宅ローンの支払いが残っている場合は、その残額を提示する必要があります。
不動産のパンフレット
不動産を購入したときのパンフレットなどが残っていれば、買主に渡しましょう。
まとめ
不動産売却では、本人確認書類から登記識別情報、固定資産税納税通知書や土地測量図までさまざまな書類が必要です。
「査定依頼時」「不動産会社との契約時」「不動産の引き渡し時」それぞれに提出する書類が異なるため、混同しないように注意しましょう!発行手続きが必要になるものも多いので、計画的に準備することも大切です。
また、直前になって「どこにしまったか忘れてしまった」「紛失してしまった」と困るケースも少なくないようなので、まだ期日まで余裕のあるうちにしっかりと探しておきましょう。もし紛失してしまった場合は、再発行の手続きが必要になることもあります。
当日の忘れ物を防ぐためにも、ぜひ冒頭でご紹介したチェックリストを活用してみてください。